破綻主義 [はたんしゅぎ]
破綻主義とは、客観的に夫婦関係そのものが破綻していると認められるような場合に、当事者の責任の有無を問わず、当事者の離婚請求を認めるという考え方です。
伝統的には相手に不貞行為などの責任がある場合にのみ離婚を認める考え方(「有責主義」といわれています)が主流でした。しかし、昭和62年に、最高裁が、一定の条件の下でいわゆる有責配偶者からの離婚請求を認めたのです。この判例は、一定の条件の下で破綻主義を認めたものと考えられています。
(1)未成熟の子がいない
(2)別居期間が同居期間と比べ長いこと
(3)相手方配偶者が、離婚により極めて過酷な状況に置かれるような事情がないこと
となっています。
したがって、これらの条件を満たす場合には、破綻主義の考え方により、相手方配偶者に責任がない場合や責任がある有責配偶者から離婚請求がなされた場合でも、離婚が認められる可能性があるといえます。