弁護士インタビュー（遺産相続）

近年相続相談のホームページがかなりの数増えました。これは法律事務所が運営する相続のホームページも例外ではありませんが、一般の方はどんな時に法律事務所に相談したらよいかためらうケースがあるようです。御事務所で実際に対応されている相談はどのような内容が多いですか。

まず、比較的多いご相談が、まだ相続の問題は発生していないものの、相続の問題が発生した時どのように遺産が相続されるのか、生前贈与を受けているがその分はどうなるか、遺言書を書いておいた方がよいかといったように相続発生前のご相談があります。

この段階でのご相談は、遺言書の作成をアドバイスさせていただくことが多いといえます。

次に、既に相続の問題が発生しているのだが、当事者間で話し合いをどう進めたらよいか、また、数回話し合いをしているものの話がまとまらないのでどのようにすれば話をすすめられるかといった相続発生後のご相談があります。

この段階でのご相談は、遺産の範囲、内容をご確認させていただいたうえで、調停の申立を含む実践的なアドバイスをさせていただいております。

最後に、当事務所の特徴ともいえるのですが、既に相続の問題は発生しているものの、長期間遺産分割がなされず相続人が多数となっていたり、相続人の中に連絡が取れない又は行方不明となっている方がいるといった複雑な問題が生じている案件の相談をいただいております。

この種の事案では、これまでの経験等を踏まえ、より迅速な解決ができる手段・法律構成が存在しないか多角的に検討し、相談段階からすぐにご依頼をいただくことが多いといえます。ちなみに、現在、私が関与している案件は、殆どがこの多数当事者、連絡が取れない関係者が含まれる案件となっております。

税務など法律事務所の取扱い業務以外の相談がなされた場合は、どのように対応されているのでしょうか。相続の問題は横の広がりがある業務なので、税理士など関連する専門家と綿密に連携されたりしているのでしょうか。

いわゆるワンストップサービスが可能な体制までは整えておりませんが、どうしても遺産分割事件においては、相続税申告、不動産登記手続を避けて通ることができません。そこで、税務、登記関係のご相談をいただく場合には、私から税理士、司法書士の先生にご協力を直接お願いしております。特に税務については、相続税申告の要否、申告が必要となる場合の納税資金の準備等々、税理士の先生とは綿密な連携を取る必要があります。当事務所では、遺産分割事件の処理件数が多いため、連携できる税理士の先生もきちんといらっしゃるので、ご安心いただけるのではないかと思います。

セカンドオピニオンの相談も可能とのことですが、弁護士によって見解や方針が異なることも多いのでしょうか。また、この点は経験によっても変わってくるということでしょうか、経験の浅い弁護士に相談して不安だったという一般の方の意見を聞いたことがございます。

遺産分割事件については、マニュアル化されているようなところもありますが、先に述べましたとおり、多数当事者、連絡がとれない関係者が存在する案件、相続が発生したのが明治年代であるといった案件等々、処理にいわば「コツ」が必要となる複雑な事案も多数あります。

また、相続税の申告が必要であるが、申告期限までに協議がまとまらなかった場合にどうするか等々、経験に基づいた判断が必要な場面が多数あります。

そういった場合には、弁護士により処理の方法等が異なってくる可能性も高いですので、是非、セカンドオピニオンの相談をしていただければと思います。

さらに、遺産分割事件において、不動産、預金、株式等々複数ある遺産の中からどの遺産を相続するかは、投資判断的要素もあります。例えば、遺産に含まれる不動産については将来売却が見込めそうなものとそうでないものもありますし、株式を相続したがその株式が相続後急暴落するといったこともあり得るのです。

したがって、経験の蓄積により、より実践的なアドバイスが可能となることは多いといえるのではないでしょうか。

最後にこのホームページを見て、遺産相続問題について御事務所に相談しようと思っている方に一言ご挨拶お願いします。

はい、遺産相続案件については、すでに信託銀行、多くの法律事務所、また税理士事務所などから、様々な情報発信がなされており、ある意味情報過多となっているところもあると思います。

そういった中で、情報の整理ができていない、また、既に相続問題が生じているもののこれでいいのか、もっと良い方法はないのかといった方、さらには現状どういった手続をとればいいのかわからないというような複雑な事案に直面されている方、こういった方々におかれましては、是非、当事務所の法律相談をご利用いただきたくお願い申し上げます。

インタビュー：問題解決できるホームページ（http://www.1980.jp/）